「今しかできない」、それが防災、減災~自助・共助の大切さ~

2018年7月25日 01時51分 | カテゴリー: 活動報告

先日、防災センターの見学をした際にも少しお話ししましたが、
改めて防災について書いてみます。
少し耳の痛いことも書きますが、それが現実です。
受け止めて頂けることを願います。

みなさんは、
「災害の時に自治体の職員が助けに来てくれる」
そんな勘違いしていませんか?
板橋区の危機管理課の職員は26人。 
板橋区の人口は56万人。
自分のところに真っ先に助けに来てくれる、ということは、
残念ながらありません。

板橋区の危機管理の職員は、情報を集め対策を練り、対策の優先順位を決めたり、指揮をしていきます。
区役所には、課ごとに職場班がありますが、 
現場にはほとんど出ていけないでしょう。

例えば、もし夜に発災したら、区役所までたどり着ける職員(全体)は、半分もいないのではと考えています。
だって、区外に住んでいる職員の方が多いのですから。
また、お子さんを置いて区役所に参集できません。
地震などで、自分がケガをする可能性だってあります。
もし、参集できても時間がかかることと思います。 

区の地域担当の職員がいても、避難所には悪くすると1~2名しか張り付けないでしょう。
その方々が、避難所を仕切るわけではありません。
じゃあ、避難所は誰が運営するのか?
それは地域の人が力を合わせて運営するのです。
だから、リーダー的な方が、避難所運営の知識、
そして人権問題を理解しているかどうかが、その避難所が、心地よい居場所になるかどうかに直結します。
避難所は生活の場所になります。
そして、女性のリーダーも必要なのです。
性別が女性というだけで、女性の視点に立てない、女性の代弁が出来ないでは、困ります。

そして、区役所は避難所ではありません。
区役所は、災害対応の指示をするところです。
そこに避難者が押しかけて、その対応に振り回されると
残りの区民への災害対応が出来なくなります。

災害時に大事なことは、まず自分がケガをしないことです。
自分がケガをすることを想定しない方が多いのですが、
まずは、自分の身を守ることです。
そうしなければ、他の方の支援もできません。
自分が、助けてもらう側になってしまいます。

そして、災害時に助かるためには、
「助けてもらう」ことだけを考えていては、助かるものも助かれません。
そして、助けに行く方も命がけです。
崩れた家の中に助けに行って、ケガをしてしまうと、
他の方を助けることが出来なくなります。
崩れた家に助けに行って、自分も巻き込まれて命を落としては
元も子もありません。
耐震にしていて、自分で家の玄関に出ているだけで、
安全に助けることができ、時間も短縮できます。
同じ時間で、もっと多くの方を助けることができます。
その方がいいですよね。

そして、もしも身元不明の死者の方がいたら…
また、家が倒壊したりなどして、自宅に亡骸をお返しできない場合、職員はその亡骸を清め、そして守るために、死体の安置所(板橋区の場合は、今のところ赤塚体育館になっています。)に、何人か人員を取られます。
生きている人を守りたいけれども、そうもできなくなります。
生きている人を助け、守るには、できるだけ死者を増やさないことが大事なのです。

だからこそ、日ごろからの自助、共助が必要なのです。
残念ながら、公助は思うようには動きませんし、動けません。
日ごろ、隣近所とあいさつして、
ここに自分がいることをアピールしておくことも、大事なことです。
いざという時には、探してもらえます。

熊本地震の時に、被災された方に、
もし今から地震の前に戻れたらどんなことをしたいかを聞いたところ、
「つながり」を作りたいと言っていたそうです。
まさに、共助の部分です。

備蓄はある程度は自治体が用意します。
でも、56万人全員分ではありません。
そして、1つの指定避難所も1000人の想定でしかありません。
避難所生活は、辛いものです。
みんな被災者ですし、お客さんは誰もいません。
自宅で避難できるなら、自宅にいた方がずっと快適だと思います。
最近の大きな災害ほど、直接死よりも関連死の方が上回っているのが、
避難所での生活の過酷さを示していると思います。

そうそう、備蓄は避難所にいる人だけのものではなくて、
自宅避難をしている人も避難所に行けばもらえます。
避難所にいない人には分けない、なんてことはあってはなりません。
少しは安心して自宅避難できますよね。

なお、台風などの大雨が予報ができる場合、
例えば「荒川下流タイムライン」は
早い時点から発動し、何時間前までには●●をするなど
早め早めの対策を取っています。
その際、みなさんも早め早めの避難を心がけてください。
「何もなくて良かった」と思えるようにしてください。
ここで「何もなかったじゃないか!」という非難ばかりが自治体に向くと
早めの避難の呼びかけが出来づらくなります。

また、大雨の場合、夜中に移動をするのは難しくなります。
明るい時間帯、そして水があふれだす前でないと、
危険が大きくなります。

例えば、マンホールの蓋。
水圧で外れてしまっていることに気付かず、
水があふれているところを歩いたりなどして、落ち込んだり吸い込まれたり。
命がけになります。
舟を出そうにも、荒川の決壊で影響をうけると想定されている地区には
13万人が住み、4万人が孤立すると想定しています。
これを一人一人助けに行くのは、難しいと考えます。

ですから、安全なうちに高い場所にある指定避難所など安全な場所へ、
または高い建物の高層階への避難が大事です。
そして、荒川がもし決壊したら2週間は水が引かないと想定されていますので
備蓄が大事です。
自宅避難でも、トイレがとても大事です。

また、板橋区は23区で一番崖の多い自治体でもあります。
武蔵野崖線の豊かな自然と崖の危険は、残念ながら表裏一対になっています。
大雨の時に崩れやすそうな場所は?と、日ごろから注意しておくことも大事です。

そして、同じ災害が起きた場合、住んでいる人の多い都市の方が、
それだけ被害が大きくなります。
それだけ支援を必要とする人も増えます。
このことも忘れてはならないと思います。

備えよ常に。
まずは、自分の住んでいるところ、いるところがどんな場所かを知り、
避難の方法を考えてください。
川の近くなのか、もとはどんな場所だったのか、
火事が起きたらどこに逃げるのか、などなど。
そして1週間分の備蓄をすることです。