函館市の「大間原発に対する裁判について」と「ふるさと納税」について

2017年8月17日 11時43分 | カテゴリー: 活動報告

7月の北海道への視察最終日は、函館市を視察しました。

目的は「函館市の『大間原発に対する裁判について』と『ふるさと納税』について」です。

 

函館市と津軽海峡をはさんで、大間原発(青森県)があります。

函館市は大間原発に対して、「建設中や計画中(新設)の原発は、無期限で凍結し、将来世代の判断にゆだねるべき」という考えを示し、電源開発株式会社と国を相手取って、裁判をしています。

 

函館市の主張は、以下の3点です。

 

  • 福島第一原発事故を起こした審査基準で許可され、建設が続けられている大間原発は、建設をただちに止めるべき
  • 実効性のある有効な避難計画が」策定できるかどうかの確認がなされていない大間原発は建設を即時中止すべき
  • 避難計画を義務付けられる30km圏内に含まれる函館市に同意権を与え、函館市が同意しない限り、建設をすべきではない

 

裁判をするにあたり、函館市議会は全会一致でした。

 

裁判の理由は、まずは大間原発からの距離と、過酷事故が起きた際に影響を受ける人口、そして避難の困難さです。

大間原発から30km圏内に函館市はあります。

大間原発から50km圏内でみると、いざという時に青森県側では9万人が影響し、函館を含む道南では37万人に影響があります。

しかし、自治体が違うこともあり、いざという時の対応や補償などは、何もわからない状態。

そして大規模な避難、特に冬場の避難は不可能とされています。

 

次に産業と生活。

観光産業はじめ漁業や農業を基幹産業としている函館市を含む道南地区にとっては、地域経済に壊滅的な打撃を与えることとなります。

函館市域が放射能物質により汚染され、市民の離散が生じ、地方自治体としての機能が崩壊すると危惧されています。

ちなみに福島第一原発の事故では、浪江町が30km圏内にあります。

また、50km圏内には、飯館村や川俣町があります。

 

3つ目は原発の種類。

現在はまだ完成していませんが、MOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物)を使う原子力発電所となります。

事業者の電源開発株式会社(Jパワー)は日本国内では水力・火力・地熱発電を、海外では風力発電など自然エネルギーを手掛けていますが、原発は初めて。

その初めての会社が世界初のフルMOX燃料の原発というのも、また心配の大きな要素です。

 

4つ目は、核燃料サイクルが破たんしていることと、使用済みMOX燃料の保管について。

使用済みウラン燃料を中間貯蔵施設に保管し、同じ青森の六ケ所村再処理工場に送るとしていますが、すでに六ケ所村の再処理工場も満杯状態、また再処理された高レベル放射性廃棄物、プルトニウムの行先は不明です。核兵器にも転用可能なのがプルトニウムです。

また、再処理されたウラン・プルトニウムを使ってMOX燃料加工工場に送り大間原発で使ったとしても、その使用済みMOX燃料がどこに行くのか、という問題があります。

大間原発では20年分しか保管できないとしています。

そして、その処理方法や最終処分などは決まっていません。

 

5つ目は活断層の存在です。

大間原発の周辺には活断層の存在の可能性も高く、敷地内にも活断層がある可能性が高いとされています。

 

6つ目は、津軽海峡のもつ性質と危険性です。

また、目の前の津軽海峡は3海里(5,5km)しかなくテロ対策をはじめ安全保障上の大きな問題がありますが、国際海峡であるため、すべての国の船舶および航空機は通過通行権を有しています。

天気が良い日は、函館市役所から大間原発が見えるほど、津軽海峡は狭いのです。

 

そして7つ目は、下北半島の原子力施設。

大間原発のほかにも、すでに中間貯蔵施設、東通原発、六ケ所村再処理工場があります。

危険な施設が集中しています。

 

 

これに対し、相手側(国と電源開発)は「憲法では、地方自治の制度を保証するもので自治体の固有の権利を補償するものではない」とし、函館市には訴える権利はないと主張しています。

しかし、そこに住む人を守るのは、本来国の責任であり、それをしない国に問題があると思います。それをしないから、函館が住民の安全を守るために責任を果たそうとしていると思います。

また、地方自治の観点からしても、自分たちが住む場所、住む人の生活や安全を守ることは、当然のことと思います。これは、沖縄にも通じると考えますし、地方自治全体にも及ぶ問題だと思います。

 

この裁判をするにあたり、函館市は基金を積み、また寄附金が寄せられ対応していますが、この春から「ふるさと納税による寄附金を訴訟費用に充てる」としています。

それに対して、2017年6月末現在、寄附金 約5,615万円、ふるさと納税 約1,511万円が寄せられているとのことです。

またメッセージ(2014年~2016年)も、応援は1099件、批判は24件とのことです。

 

裁判は「日本と原発」などの映画も制作している河合弁護士。

年に4回(3か月に1回)口頭弁論があり、函館から東京に裁判の担当職員が来ています。

まだまだ費用はかかります。

 

 

函館市の裁判は、大間原発に対してと対象が限られていますが、それも「あり」だと思います。

一つ一つの原発に対して、このような取り組みをすることが、とても大事だと思います。

 

函館をはじめ北海道は「観光」に力を入れています。

今回の視察の途中でも、函館空港には海外から直接プライベートジェットが来ることが増えていると聞きました。

話しているときに、まさに1機プライベートジェットが到着したくらいです。

まさに「インバウンド」に期待し、力を入れているのです。

その地で、事故があったら、一気に打撃を受けるのは目に見えています。

 

原子力発電所は本当に必要なのでしょうか?

再生可能エネルギーの技術も日々進んでいます。

電力の小売り全面自由化から1年が過ぎ、8月12日の日経新聞によれば、新電力全体の家庭向け月間販売電力量が、電力大手10社のうち、北海道電力など大手4社の販売量を抜き、全国7番手となったとのことです。

まだまだできることがあります。

 

そして、廃炉費用には巨額の費用が掛かります。

過酷事故は絶対に起きないとは言えず、福島のように、いまだに立ち入りができない場所もあります。

そして、福島原発事故のために、さまざまな苦しみを担う人が、今もたくさんいます。

「絶対安全」とは誰も言えません。

 

そして、核燃料サイクルはすでに破たんし、10万年保存する術を私たちは持っていません。

10万年前の日本を思えば、10万年後の日本がどうなっているかなど、私たちは責任を持つことはできません。

自分たちにも手が負えない危険なものを後世に残す無責任さ、今だけ良ければよいとは思いません。

 

命より経済が優先される社会には、反対です。

 

★大間原発の敷地のど真ん中にある「あさこはうす」
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