バリアフリーを考える ~視察での体験から~

2017年7月23日 01時48分 | カテゴリー: 活動報告

7月18日~21日、北海道へ視察に行ってまいりました。
7月上旬に膝の骨をケガして、ドクターに「曲げてはだめ」と言われ、
装具をつけての視察となりました。

歩けるもののスピードも遅く、階段の上り下りも一苦労。
特に下りが厳しい。

友人には、「空港で車椅子を借りたほうがいいよ」とアドバイスをもらいましたが
そうするために動き回ることも難しい状態でした。

さて、困ったなと思っていたところ、同じ会派の松島議員が
あれこれ手続きをして下さり、また空港内を車椅子を押して下さり、
ほんとうに助かりました。

飛行機会社 (JAL)のサービスは、
1を言えばその後の事も手配してくださり、とても安心できました。
見習わなければねと、会派の皆さんと話していました。

JALが貸してくださった車椅子は、
コンパクトながら しっかりした作りで、ベルトで身体を固定でき、
安心して利用できるものでした。

もしも、一人での旅の場合、JALのスタッフが押してくれるそうで、
到着の千歳空港では、JRの乗り換え口までスタッフが押してくださいました。
初めての空港で、エレベーターを探すのも大変ですし、
スタッフの方の車椅子を押すスピード、ちょっとした坂や段差の扱いなども
とても上手で、安心してお任せできました。

ただ、札幌の丘珠空港からの飛行機は、33人乗りの小さなものでしたので、
優先案内していただきましたが、搭乗口から飛行機までは自力で歩き、
8段ほどのタラップを登りました。
函館空港でも、タラップはゆっくり自力で降り、
その後、空港出口まで車椅子で案内して頂きました。

少し前に、障がいのある方が搭乗拒否されたり、
タラップを自力で這い上がることを強要されたニュースを見ていましたので、
JALの対応には、とても感謝しました。

タクシーの運転手さんも、私の足のケガに早く気づくようです。
また、今回視察で乗ったバスも、車体自体が低くなるなど、
改めて様々な面でバリアフリー化が進んでいること、
また、社会的な理解が進んでいることを感じました。

改めて調べてみると、国土交通省のバリアフリー化の取り組みは、
1994年に公布・施行 されたハートビル法 ※1によって建築物などのバリアフリー化
(※1 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進 に関する法律)、
2000年に公布・施行された交通バリアフリー法 ※2によって
交通施設などのバリアフリー化について施設管理者に一定のバリアフリー化を義務付けることなどで
公共施設の改善などを進め、具体化されてきました。
(※2 高齢者、身体障 害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律)
2006年に上記2つの法律が統合しバリアフリー法 ※3 となり、
(※3 高齢者、障害者等の移動等 の円滑化の促進に関する法律)
バリアフリー化の取組が進められているのが現状です。

バリアフリー化が義務付けられている新設等の施設だけでなく、
既存の施設についても改善を促進することが求められ、
平成 2020 年度に、1 日あたり 3,000 人以上の利用がある旅客施設や
全国 1,700 ㎞の道路などをバリアフリー化するとの目標を掲げ、整備を進めているとのことです。
(国土交通省のHP参照)

2006年のバリアフリー法施行から 10 年が経過しました。
バリアフリー化が進んだとは言え、
これからますますバリアフリー化が必要とされる社会となります。
国土交通省があげている理由をまとめると、

1つ目は、高齢者、障害者数が大きく増加し、
2060 年には高齢化率は4割に達する見込みとなっていること。

2つ目は、「障害者権利条約」締結に伴い、障害の社会モデル
(障害者が 受ける制限は機能障害のみに起因するものではなく、
社会における様々な障壁と相対するこ とによって生ずるとする考え方)等
同条約の理念を踏まえ、すべての人に対する「差別の撤廃」や、
社会的障壁の除去に向けた「環境整備を推進」することが求められていること。

3つ目は、2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、
「共生社会の実現を目指すべき」とされていること。

4つ目は、一億総活躍社会の実現に向けて、 バリアフリー施策を進めるべきとされていること。

5つ目は、2016年の視覚障害者のホーム転落事故の発生を受け
「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」中間とりまとめにおいて、
引き続きハード・ソフトの両面から の転落防止対策を講じることとされ、
ハード・ソフト一体となった取組が必要とされていること。

6つ目に、交通分野のバリアフリーが、全体として進んでいないとの
内閣府調査(平成 27 年)もあり、高齢者、障害者等の要望が依然として多いこと。

が挙げられています。

6月27日にまとめられた
「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」 報告書の中には、
施策の方向性を打ち出すにあたり留意すべき3つの視点が挙げられています。

・高齢者、障害者等の社会参画の拡大の推進
・2020 年東京大会のレガシーとしての共生社会の実現、
・一億総活躍社会の実現に向け、高齢者、障害者等が
社会、経済、文化 その他あらゆる分野の活動に参加し、
活躍する機会を確保して いくことが重要であり、施策の拡大・充実を実現する。

としています。

また、その中には「心のバリアフリー」とする項目があり、
・公共交通事業者等がハード、ソフト両面の取組を計画的に取り組む中で、
更なる職員研修の実施を促進するための仕組みについて検討
・交通・観光分野における接遇ガイドラインの本年度中の策定、普及
・バリアフリー教室等の啓発活動について、事業者や公共交通の利用者向けの取組を充実
・障害者等当事者に対する公共交通の安全な利用に関する啓発 活動を推進
が挙げられています。

今回の視察でのことは、まさにここに当てはまり、
ますますバリアフリー化が進むことに期待をしたいと思います。

空港内では、車椅子だけでなく、視覚障害者をサポートしている姿も見かけました。
足の骨折箇所で、必要とされるサポートも変わってきます。

しかし、このような場面で理解が進み、受け入れ態勢も進めば、
全体に優しい施設、そしてサービスになることと思います。
改めて今回お世話になった皆様に、心よりお礼を申し上げるとともに、
ますます誰にも優しい社会になることを期待し、
板橋の中での施設・そして心のバリアフリー化に、さらに取り組みたいと思います。

空港でお借りした、JALの車椅子

函館空港にて