ブラックバイトと奨学金 ~聞けば聞くほど恐ろしい現実~

2016年1月28日 23時43分 | カテゴリー: 活動報告

「ブラックバイトと奨学金」と題しての
中京大学教授 大内 裕和先生の講演会に参加した。
 
ある程度はわかっていたつもりが、奨学金の現実に、背筋が寒くなった。
理解していた以上に、現実は恐ろしい。
 
自分の学生時代とは、まるで状況が違う。
私が学生の頃は教育職につくと免除になったが、それも1998年に既に廃止になっている。
2004年には「日本育英会」は廃止となり、「日本学生支援機構」に変わっている。
また、同2004年3月に奨学金返済免除職(大学での研究職)も廃止された。
 
無利子は枠が少ないため、ほとんどが有利子の奨学金となる。
大学院まで出ると1400万円とのことに驚く。
ぞして、初任給から7万4000円引かれる。
いったい手取りはいくら残るのか?
 
学生の半数以上が奨学金を借りている。
借りないといけない人が少数だった時とはまるで違う。
 
いま、奨学金を借りているのが52、5%
残りの47、5%は借りていない。
今の学生は
 「今だけ」「金だけ」「自分だけ」
自分が借りてなければ関係ない、と思ってしまう。
でも、
  あなたの彼は?
  あなたの彼女は借りている?
となった時に、初めてことの重大さに気づくのだそうだ。
 
かつては少数だった奨学金を借りる人が、今は多数となり、
卒業と同時に500万とか800万にもなる借金。
その二人が結婚したら、新婚で1300万の借金!
これでは結婚できず、出産、子育てにも繋がらず。
労働力が再生産できず、少子化どころか、自治体が消滅することにもつながる。
マイホームなんて、夢のまた夢。
 
少ない手取りから返そうとして、延滞すると、
返しても返しても、それはまず遅延金の支払い見充当され、いつになっても元本は減らない。
元本の10%以上のお金がだせなければ、
半永久的に遅延金を払い続けるという、まさにローン地獄。
奨学金とは名ばかりの「金融事業」であり、若者を食いものにする「貧困ビジネス」である。
 
今65歳の方が学生時代は、国立大学の授業料は年12000円。
月1000円の時代。
しかし、2010年の国立大学の授業料は、53万5800円
これに入学料を入れたら81万7800円になり、私立大学との差が縮まっている。
このことを、多くの方が知らないでいる。
「奨学金が借りられないなら国立大へ」というが、国立大に入るのも、難しい。
 
こんなにも深い問題なのに、大きな問題とならないのは
まだ現実を知らない人が多いからだとのこと。
 
また、自宅から通えない大学の場合、別に仕送りが必要となる。
だから、今、大学を選ぶときの条件は、自宅から通えるか否かとなる。
 
それでは高校を卒業したら仕事をしたらいい、と思っても、
雇用の現実は、仕事の数も少ないし、質も劣悪のものが多いと。
書かれている労働条件と現実とが、あまりにも違うのだと言う。
 
2004年には200件だった支払い督促の申し立て件数が
2011年には10000件と、たった7年で50倍。
 
そして、大学に入ると、本来資格を満たしている人が無利子奨学金を受けられず、
バイト漬けの生活となる。
貧困から、辞めたいと思っても辞められない、
非正規が基幹労働に移行し、低賃金にもかかわらず
学生のバイトなのに、バイトリーダーや、パート店長などという
まさに「ブラックバイト」のために、学生生活に支障をきたすことになる。
 
また、老後の頼みの年金で
孫の奨学金を返済しているという話も、現実に起きている。
 
勉強をしたくても諦めさせられ、また勉強をすることで、
奨学金という名の多額なローンを背負わされているのが、日本の若者たち。
 
アメリカは、徴兵制はない。
志願兵が、海外派兵されている。
しかし、その志願兵は、「学生ローンを払えない若者」。
アメリカに追随している日本が、この志願兵のシステムを真似しないわけがないという。
まさに、経済的徴兵制だ。
返済の滞納者をターゲットにして、
防衛省に頼んで1年とか2年インターンシップをして就職をよくする、
などという話が、既に俎上にのぼり始めている。
 
奨学金には、ここに書ききれない問題がまだまだある。
たくさんの人に、この問題の深さ、大きさを伝えたいと思った。