「新あいキッズ条例」反対討論

2013年12月20日 03時08分 | カテゴリー: 活動報告

12月16日の本会議において、板橋区「新あいキッズ条例」

下記のように反対討論を行いました。ご確認ください。

 

板橋・生活者ネットワークが、「議案第68号 東京都板橋区あいキッズ条例」に反対する立場から討論を行います。

子どもは未来への「希望」です。

その子どもたちを、どのように育てていくのか。これは板橋区、そして日本の未来へかかわることです。

子どもは、学校で学ぶだけでなく、遊びなど様々な体験、経験を通して、豊かな人間性をはぐくんでいきます。

そして、私たち大人は、子どもにとって何が最善かを考える責任があります。

 

「子どもの権利」は、子どもの成長や発達を保障するための、主体形成をはぐくむものです。

子ども自身が選ぶ権利、意見を言う権利があり、権利の主体として成長する環境を整えていくことが、本来の大人の責任であり、子どもの選択肢を広げるのが、行政の本来あるべき姿です。

 また、成長期の子ども同士の交流は大切です。交流により、子どもの世界が広がります。文教児童委員会の中でも、理事者より「児童同士の交流に重きを置いている」との答弁がありました。

しかし、それならば、校内での児童の交流に、どうして限定しようとするのでしょうか?

 

学校という空間にいるだけで、ストレスになる場合もあります。

学校という空間以外で、他の学校の子どもと遊ぶことは、自分の存在意義を新たに確認し、第3の居場所となることにもつながります。

新あいキッズは、3か所拠点を作るから、子どもが自由に選択できると説明していますが、結局は学校という限られた空間の中であり、本当の選択ではありません。

子どもの最善の利益を考えた時、子どもが居たい場所を選択する権利を奪い、選択肢を狭めることは、あってはならないことです。

一方、児童館はセーフティネットの役割も担っています

しかし、それが児童館の統廃合で新あいキッズにしか来られなくなったとき、「人ではなく場所を見る」しかできない新あいキッズで、いったいどんなサポートができるのでしょうか?

 一般質問の回答では、セーフティネットとして小学校や教育相談所、子ども家庭支援センターをはじめ、東京都の児童相談所など関連する所管をあげていましたが、相談には行っても、日常の中でのセーフティネットとはなりえず、第三の居場所にも、なりえるとは思えません。

 学童クラブの根拠法である「児童福祉法」は、児童の福祉を保障するための法律であり、優先されるべきものです。

今から、より子どもたちのためにと、国が制度を改めようと動いている中、真っ先にその法律から外れ、基準の緩和を図ることは、子どもを守る立場からすれば、逆行することに他なりません。

 

 新あいキッズは、安心・安全と説明しています。

しかし、指導員やプレイングパートナーの人数、参加人数と拠点となる部屋の大きさや数の問題などなど、課題が多く見受けられます。

 安全性を確保するべきさまざまな課題が、学校ごとにあり、53の小学校すべてに異なる課題が発生します。それらすべてに迅速に対応ができるか、はなはだ疑問です。

やってみなければわからない、やりながら問題を克服するでは、あまりにも子どもたちがかわいそうです。事故が起きてからでは遅いのです。

子どもたちの側に立って、考えているのでしょうか?

  文教児童委員会では、「安心・安全な居場所というところの意味合いにおいては、子どもの権利条約に反するものではない」と答えています。このように安心、安全と言い切れない状態においては、反していないとは言えないのではないでしょうか?

 

 「学校と地域でつくる学びの未来」のHPの中の、「放課後子どもプラン創設の経緯」を見ても、「平成18年5月に、当時の文部科学大臣及び厚生労働大臣の両大臣が合意し、創設されたのが「放課後子どもプラン」です。「それぞれの目的を踏まえつつ、両省連立しながら、それぞれの事業の充実と更なる連携の促進を図っていくとあり、学童クラブをやめても良いというものではありません。

 また、「東京都放課後子供プラン実施要綱」には「放課後子供教室推進事業」よ「学童クラブ事業」を「一体的あるいは連携して実施する放課後対策を推進」することを目的とするとあり、学童クラブの対象児童に対する配慮として、「学童クラブの対象児童に対しては、学童クラブ実施要綱に基づき、現行水準と同様の6項目のサービスを提供し、サービスの質の向上及び適正な運営の確保を図るもの」としています。

  国の子ども・子育て支援は「『子どもの最善の利益』が実現される社会を目指すとの考え方を基本とする」とありますが、板橋で実施しようとする新あいキッズは、子どもの最善の利益ではなく大人の都合、区の予の削減ありきの政策としか思えません。

 

  また、本条例第8条では、「心身に著しい障がいがあり、集団生活に適さないと認められるとき、利用不承認とできる」としています。障がいを理由に排除するのはおかしいのではないでしょうか。

 12月4日に、参議院本会議で、国連の障がい者権利条約の批准が可決されたばかりです。

2012年の障がい者総合支援法、今年6月の障がい者差別解消法と、批准に向けて法の整備を進めてきたことは、板橋区もよく知っているはずです。

それなのに、区民の手本となるべき自治体が率先して条文にこのような障がい者を排除する項目を入れることは、まったく理解できません。

 

 先日視察に伺った小学校では、5時前でも帰宅するお子さんが相当数います。それでも、一般登録ではなく、わざわざ料金を支払って学童登録をしています。ここに、保護者が求める「学童クラブ」の意味があると思います。

 これが、新あいキッズになったら、この方たちはすべて甲時間内になるため、今までのようなサービスは何も受けられません。保護者のニーズにはあっていません。ニーズがない制度を作って喜ぶのは、誰でしょうか?

 また、区民への周知もまだまだ不足しています。そのような中で、こんなにも拙速に制度を変えてしまうことに、多くの区民が納得していません。

 と、同時に、他の自治体の方までが、今この「新あいキッズ」に注目しています。なぜならば、板橋区が行うと、自分の自治体でも始めかねない、そう考えるからです。みなさん、自分の自治体ではやってほしくないと、そう口をそろえます。

 

 また、子ども・子育て支援法の中に「放課後児童クラブ」の項目がありながら、板橋区の子ども・子育て会議では、この新あいキッズのことは、まったく話されていません。

子ども・子育て会議が、この新あいキッズの質を評価するのかさえ、はっきりしていません。子どもの権利の視点を取り込み、権利を擁護するか、その評価のシステムもはっきりしていません。

 

 これから行われようとしている事業の質を子どもたちの側にたって問うた時、現状では、納得のできるものではありません。

 以上の理由から、この条例に反対をし、私の討論を終わります。